今回は部下と向き合うというテーマです。

マネージャーやリーダーの皆さまの研修を担当させて頂き
気付くことは、チームのマネジメントが出来ているリーダーの方の傾向は
「部下を気遣うことができる」ということです。

“気遣う”とは「部下に気を使う」ではありません。
気遣いとは相手のことを心配する、懸念する、想いを馳せるという意味です。
広辞苑では下記の通りに記載されております。

「気を使う」
周囲の人や物事に、細かく心づかいをする。
「気遣う」
あれこれと心配する。心もとなく思う。懸念する。

一般的に「気を使う」という意味は
上司や取引先に役割やビジネスマナー等で“心”や“神経”を使うもので
使った後はドッと疲れるものです。

いっぽうで「気遣う」という意味は
そもそも相手への“思いやり”や“仕事上の愛情”
を持って接するということです。

もちろん部下に「気を使う」訳ではありませんが、
例えば、部下の性格によっては、
仕事上で気に入らないことがあるとすぐにスネたり
周囲に感情をぶつけて当たってしまうようなこともあるでしょう。

リーダーである上司は、
つい機嫌をとってしまうこともあるかと思います。
それは「気遣い」ではなく単純に「気を使っている」だけです。

できるのであれば冷静に本人に向き合い、
その良くない態度、感情的になる性格、個性を
時間をかけてカイゼンしていく動機付けをするべきなんです。
それが正に「気遣う」ということ。

でも、正直、面倒臭いですよね。
つい「仕事なんだから」とか「お互いオトナなんだから」とか
「オレだって私だって、感情的になりたいことを我慢してるんだから!」なんていう
リーダーの自分自身の素直な感情がつい出てきてしまい
該当の部下の事象から逃げたり、見逃したり
誤魔化しているハナシもよく耳にします。

かく言う私もそんなことは過去にたくさんありました。
しかし、対処法を間違ってでも、そこに向き合っていくことは
“誠実さ”の塊であり、他の部下からは信頼を勝ち得ることと言えます。
ぜひ向き合って頂きたいです。

ちなみに対処法はいろいろありますが、
前提として、自分自身の感情を「穏やかな状態」にすることです。
不機嫌な感情のままで向き合うと“相手との戦い”にしかなりません。

弊社のリーダーシップ研修やマネジメント研修には
「感情をコントロールする」という
テーマを織り交ぜております。

学校学園に関するニュースでは
パワハラに関する話題が多くありますが、
パワーハラスメントの根本には
必ず不機嫌な感情が存在しています。
リーダーである上司はまず自分自身の感情を
マネジメントできるようにするスキルが
求められているということですね。

その上で部下に対して「気遣い」を持って
接して頂きたい、向き合って頂きたいと思います。