4月も終盤に差し掛かり、間もなく大型連休に突入しますが、
23年度新入社員は順調に育っていますか?
空気を読み、周りに合わせて、
嫌われないようにする・・・
と言われているこの世代の若者たちですが、
おそらく、そつなく、それなりに
研修に取り組んでいるのではないでしょうか。
そうは言っても、個々にキャラクターがあり、
効果的な教えられ方は十人十色と言ったところでしょう。
そろそろ現場配属されている店舗も多いでしょうから
教え方を中心とした新人スタッフへの接し方について
今回はお伝えします。
新人一人に付きっきりで教える先生役のスタッフを
置いている店舗が多いと思います。
その先生役と新人との関係性ですが、
上手くいっていることが新人の育ち方に大きく影響します。
関係性というのは、
両者間に信頼関係できているということで、
分かりやすい表現で言うと“仲の良い”関係。
昼食休憩中もまるで兄弟姉妹のように
楽しそうに会話を弾ませている新人と先生役という
関係から
昼食休憩中、一切会話せず
一定の距離を置いて着席し、背を向け無言の二人・・・
という関係まで
その関係性はいろいろ。
先生役のスタッフはまだしも、
少なくとも新人が、疑問に思ったことを
緊張や遠慮、不必要な気遣いにより、そのまま放置するより
気軽に質問できる関係性が理想ですよね。
いわゆる相性と表現される方もいらっしゃいますが
相性が良いか悪いかなんて、
蓋を開けてみないとわからないものです。
また、新人からしても、言わば“先生ガチャ”のようで
当たる先生役との相性が良いか悪いかで
教えられ方に違いが出るかもしれません。
できれば先生役のスタッフには
どんな新人であれ、効果的に教えられるよう
教え方の創意工夫とコミュニケーションを図る努力を
してもらいたいもの。
そしてそれこそが先生役本人の成長にもつながることでしょう。
では、どうすればよいのでしょうか?
以前からお伝えしているDiSCや類人猿診断などの
コミュニケーションスタイルから紐解くのが効果的です。
キャッチーで覚えやすい類人猿診断を使って、
タイプ別に接し方を説明致します。
まずは、提案販売にいちばん強いとされるチンパンジータイプ。
褒められることがいちばんの特効薬。
代表的な表現は、「さすが」「すごい」「覚えるのが速い」「天才!」です。
本人がニヤリと嬉しそうにすれば効果的に響いている証し。
ただ、それだけでは本当の成長に繋がりにくいので、
さらなる階段や、本人の行動で注意すべき課題を
褒めと同時に必ずセットで与えることです。
また、教える内容の具体的手法、やり方は
顧客情報端末の入力操作手順や、
重要説明事項の説明方法などを除いて
できる限り細かく伝えず、
注意すべき点だけ伝えた上で本人に考えさせることです。
「他に負けないくらいに自信を持って行動できる」
ことが、このタイプの特徴ですので、
一般的なコーチング手法が合っていると言えます。
ただ、このタイプの行動は
常にスピード感、即効性を求めていることもあるので、
興味が無くなると集中力が欠落したり、
自分自身にとってプラスに繋がらないと判断した時点で
明らかにやる気を無くすこともあります。
また、重要な箇所でもメモを取らない傾向があります。
「私はデキる」と過信して調子に乗り、
謙虚さが失われ「これくらいの内容、メモの必要性なし」と
勝手に判断するかもしれません。
要所要所で注意してあげないと
伝えたことを勝手にやり方を変えていたり
失敗に繋がる可能性があります。
そういうことが発生したら、発覚した時点で
すぐに注意してあげて下さい。
但し、否定や注意に弱いことから
感情的になりやすいので、伝え方には注意を。
また、先生役が同じチンパンジータイプの場合は
先生役も、つい感情的に注意してしまうことが多いと思われます。
仮に感情的になったとしても
真剣に新人の目を見てゆっくり話すことを忘れずに、
注意することで効果が期待できるしょう。
もし、冷静さが失われるほどの
叱責になってしまうと
拗ねてしまったり、反発したりするかもしれません。
あるいは、「この人、なんか怒ってるしぃ」と
冷淡に受け止められる可能性もあります。
チンパンジータイプの先生役のスタッフは
とにかく自身の感情をコントロールして
冷静に伝えることが一番のポイントとなります。
一方で、先生役がゴリラタイプの場合は
つい、やり方も丁寧に細かくゆっくり伝えてしまうかもしれません。
先生役が説明している途中で、被せ気味に
「結論、こうなればいいんすよねぇ?⤴」
なんていう質問がくる場合は、
チンパンジータイプの新人が
多少イライラしているかもしれません。
このタイプの先生役は
ポイントをしっかりと押さえて、
できる限り端的に説明することが重要となります。
まずは
『こういうことができるようになればよい』
『ここまで独りでできるようになればよい』
『お客さまが勘違いしないように、この点に注意して、説明できればよい』
など、
ゴールイメージを最初に伝えてあげると
新人本人の頭と心が前に進み出します。
もちろん、先述の通り、
顧客情報端末の入力操作手順や重要説明事項など
手順・ハウツーが明確な内容は
細かく丁寧にに伝えるべきですが、
その手順におけるお客さまへの伝え方を
どう表現すればお客さまに心象良く伝わるか?や、
その伝える具体的な言い方を
本人に考えさせるとモチベートすることができます。
ただ、先述の通り、効率重視でザックリしているので、
言葉、表現が少々乱暴であったり、
命令形になってしまうこともあります。
また上手く伝わらなかった時に、明らかに表情に出易いのも特徴です。
その辺りは良い部分をしっかりと褒めつつ
是正すべき点を、冷静に伝えてあげると良いでしょう。
今からでも間に合います。
試行錯誤、実践するように先生役のスタッフに
伝えてみてはいかがでしょうか。
さて、今回はこれぐらいで。
次回は、ゴリラタイプの新人スタッフへの接し方について
説明致します。
いち早く、新人スタッフが先生役のスタッフや周囲のスタッフに
心を開示して、信頼関係が築かれることを祈っております。