まもなく大型連休、今年はコロナ前の活気に戻るGWになりそうですね。
さて、皆さまの会社の23年度新入社員は順調に育っていますか?

空気を読み、周りに合わせて、
嫌われないようにする・・・
と言われているこの世代の若者たち、
おそらく、そつなく、それなりに
研修に取り組んでいるのではないでしょうか。

そうは言っても、個々にキャラクターがあり、
効果的な教え方は十人十色と言ったところでしょう。

人事部主導の研修期間から
各部署での現場研修に移行している企業さまも多いでしょうから
今回は、所属部署内での指導係を中心とした
新入社員への接し方についてお伝えします。

明確に指導係の先輩社員を決めて新入社員に付けている
企業さまも多いと思います。
その先輩社員と新入社員との関係性の良し悪しが、
新人の育ち方に大きく影響します。

関係性というのは、
両者間に信頼関係が出来ているということです。
分かりやすい表現で言うと“仲の良い”関係。

お昼休憩もまるで兄弟姉妹のように
楽しそうに会話を弾ませている先輩社員と新入社員という関係もあれば、
昼食は一定の距離を置いて着席し、
一切会話をせず背を向け無言の二人・・・
という関係までその関係性はいろいろ。

先輩社員はまだしも、
少なくとも新入社員が、疑問に思ったことを
緊張や遠慮、不必要な気遣いにより、そのまま放置するのではなく
気軽に質問できる、
そんな関係性が理想ですよね。

いわゆる相性と表現される方もいらっしゃいますが
相性が良いか悪いかなんて、
蓋を開けてみないとわからないものです。

また、新入社員からしても、言わば“指導係ガチャ”のようで
当たる指導係との相性が良いか悪いかで
教えられ方に違いが出るかもしれません。

できれば指導係の先輩社員には
どんな新人であれ、効果的に教えられるよう
教え方の創意工夫とコミュニケーションを図る努力をしてもらいたいもの。
そしてそれこそが指導係本人の成長にもつながることでしょう。

では、どうすればよいのでしょうか?

行動心理学に基づいたDiSC分析やソーシャルスタイル理論、
類人猿診断などのコミュニケーションスタイルから紐解くのが効果的です。
いま流行りのMBTI診断も良いでしょうが、
キーワードが少々難しいので、ここは
キャッチーで覚えやすい類人猿診断を使って、
タイプ別に接し方を説明致します。

まずは、仕事の成果を出すことに
いちばん強いとされるチンパンジータイプ。
DiSC分析で言うとDタイプ。
褒められることがいちばんの特効薬。
代表的な表現は、「さすが」「すごい」「覚えるのが速い」「天才!」です。
本人がニヤリと嬉しそうにすれば効果的に響いている証し。

ただ、それだけでは本当の成長に繋がりにくいので、
さらなる階段や、本人の行動で注意すべき課題を
褒めと同時に必ずセットで与えることです。

また、教える内容の具体的手法、やり方は
できる限り細かく伝えず、注意すべき点だけ伝えた上で本人に考えさせることです。

「他に負けないくらいに自信を持って行動できる」
ことが、このタイプの特徴ですので、
一般的なコーチング手法が合っていると言えます。

ただ、このタイプの行動は
常にスピード感、即効性を求めていることもあるので、
興味が無くなると集中力が欠落したり、
自分自身にとってプラスに繋がらないと判断した時点で
明らかにやる気を無くすこともあります。

また、重要な箇所でもメモを取らない傾向があります。
「私はデキる」と過信して調子に乗り、
謙虚さが失われ「これくらいの内容、メモの必要性なし」と
勝手に判断するかもしれません。

「ここは省いてはいけない」というような要所要所で
注意してあげないと、教えたことを勝手に自分流に変えて
失敗してしまうこともあります。
新人で許される失敗もありますが、
そうでないケースもあるかと。

そういうことが発生したら、発覚した時点で
すぐに注意してあげて下さい。
但し、否定や注意に弱いことから
感情的になりやすいので、伝え方には注意を。

また、指導係の先輩社員が
同じチンパンジータイプの場合は
指導係も、つい感情的に注意してしまうことが多いと思われます。
仮に感情的になったとしても、ゆっくり呼吸して
真剣に新人の目を見てゆっくり話すことを忘れずに、
注意することで効果が期待できるしょう。

もし、冷静さが失われるほどの叱責になってしまうと
拗ねてしまったり、反発したりするかもしれません。
あるいは、「この人、なんか怒ってるしぃ」と
冷淡に受け止められる可能性もあります。

チンパンジータイプの指導係の先輩社員は
とにかく自身の感情をコントロールして
冷静に伝えることが一番のポイントとなります。

一方で、指導係がゴリラタイプの場合は
つい、やり方も丁寧に細かくゆっくり伝えてしまうかもしれません。

指導係が説明している途中で、被せ気味に
「結論、こうなればいいんすよねぇ?⤴」
なんていう質問がくる場合は、
チンパンジータイプの新人が
多少イライラしているかもしれません。

このタイプの指導係はポイントをしっかりと押さえて、
できる限り端的に説明することが重要となります。

まずは
『こういうことができるようになればよい』
『ここまで独りでできるようになればよい』
『クライアントが勘違いしないように、この点に注意して、説明できればよい』
など、
ゴールイメージを最初に伝えてあげると
新人本人の頭と心が前に進み出します。

もちろん、手順・ハウツーが明確な内容は
細かく丁寧にに伝えるべきですが、
クライアントや相手に
口頭で説明する必要があることを教える場合は
どう表現すれば相手に心象良く伝わるか?や、
その伝える具体的な言い方を
本人に考えさせるとモチベートすることができます。

ただ、先述の通り、効率重視でザックリしているので、
言葉、表現が少々乱暴であったり、
命令形になってしまうこともあります。
また上手く伝わらなかった時に、明らかに表情に出易いのも特徴です。

その辺りは良い部分をしっかりと褒めつつ
是正すべき点を、冷静に伝えてあげると良いでしょう。

今からでも間に合います。
試行錯誤、実践するように指導係の先輩社員に
伝えてみてはいかがでしょうか。

さて、今回はこれぐらいで。
次回は、ゴリラタイプの新入社員への接し方について説明致します。

いち早く、新入社員が指導係や周囲の先輩社員に
心を開示して、信頼関係が築かれることを祈っております。