今回は、コミュニケーションスタイルの診断について
ご質問を頂いたので、
今回はその内容を共有させて頂きます。

Q:ネットの無料診断で
チンパンジーと診断された新入社員がいるんですが、
診断結果がどうも違うような気がします。
本人も納得していないような感があるのですが、
スッキリさせる方法はないでしょうか?

という内容です。
ネット上の簡易診断ですので、
おそらくですが、合ってないのでは?と思います。

まず、ソーシャルスタイルの要素は4つに分かれており、
社会生活における人間の行動心理に基づいた内容です。
ただ、4要素から一つしかない、という訳ではありません。
もっと言うと、人は必ず4つの要素を持ち合わせています。

4つの要素を日本語例に置き換えると
『調和』 (ゴリラ)
『挑戦』 (チンパンジー)
『社交』 (ボノボ)
『冷静』 (オランウータン)
いずれも社会生活において大切ですよね。

ただ、
どの要素が強いか?次に強いのは?というように、
人によって4要素の構成比率に差があります。
また、その人が属するコミュニティや
生活の中での色んなシチュエーションによって
どの要素が強く出るか違いがあります。

例えば、仕事の時はゴリラタイプなのに
趣味のコミュニティに行くとボノボタイプが色濃く出たり
車の運転になるとチンパンジーが強く出たり
仕事でも、取り組む業務の種類によって
違ったりする場合もあります。

そして、チンパンジーの時は絶対チンパンジー
今からボノボに切り替える!と明確にハッキリ
スイッチングされる訳でもなく
4色がそれぞれの境目で
グラデーションになっていると思って下さい。

あくまで私見ですが、
そのコミュニティの中での立ち位置や、
上司部下、先輩後輩、同期同士、取引先など
周囲との信頼関係
そのコミュニティの中での、
自己肯定感や自己顕示欲などが
大きく関係しているのでは・・・と思っています。

社会性ですので、そのコミュニティの中で
「このメンバーの中なら、この内容について、自信がある!」
と思うことができれば
主張も挑戦もするし、そうでなければ
周囲に合わせて様子を伺うのではないでしょうか。
人間の心理ですよね。

よって、4要素が何割くらいあるのか診たほうが、
対処の目安が付き易くなります。
そう考えると4要素から1つに無理矢理分けるのではなく
4要素の構成比率を、時間をかけて、
しっかり診ていくものと考えてみてはいかがでしょうか。

参考までに、最近、巷で流行っているMBTI診断。
全部で16タイプに診断する内容です。
20代30代を中心にSNSのプロフィールに記載している方も多いようです。

公式HPを見ると
単なる性格診断ではなく、自分自身の理解を深めるメソッドと記載されています。
つまり、社会で上手に生きていくために
より自己への理解を深めて己を磨け!ということなんだと思います。

よって私見ですが、
DiSC分析も、ソーシャルスタイル理論も、
類人猿診断も、MBTI診断も、
どれも行動心理学をベースに
ほぼほぼ同じような主旨、目的であり
診断結果を、本人や周囲がどう活かすかということですよね。

さて、話を元に戻します。
4要素の構成の割合を、
パターン化すると数種あるので、
人によってそのパターン特性が違ってくるものと
理解して頂くとスッキリすると思います。

では、その割合はどうやって診断するか?
ネットの簡易診断では、そこまで出ないかと思います。
弊社含め、世の研修会社では、詳しい診断をやっておりますが、
有料となりますので、悪しからず・・・でございます。

ただ、無料診断も決して参考にならない訳ではありませんので
参考材料として診て頂くとよいです。
つまり、今回のご質問の方にあった
「どうも違うと思う」と感じたことが大事で
どのタイプならしっくり来るかです。

こういう時は「このタイプ」で
こういう場合は「このタイプ」だな
というように細かく診ていくと、
より深く理解できると思います。

やはり大切なことは、
上司や先輩社員が、
新入社員や部下後輩社員の行動や言動に
関心を持つことができているか?

また、新入社員や部下後輩社員が
診断結果に納得し
自分自身の強みと弱みの特徴を
すんなり受け入れられるか?
ということです。

強みは、本人がしっかりと活かしつつ
弱みは改善に向けた周囲からの助言を
本人が素直に受け入れ、成長する努力をしていく。

そしてその助言をする周囲の先輩社員や上司は
本人の特性に合った接し方をすることで
本人のモチベーションも高まり、
信頼関係も増していくことは言うまでもありません。

ダイバーシティが謳われて、数年経ちますが
多様性の一つとして、個々の特性を理解し
その特性に合った接し方を試みることは
本人に迎合する訳も、本人を甘やかす訳でもなく
仕事の成果を生む人材として育てることであり、
職場のチーム形成をする上でも
いまの時代にとても大切ことであると私は思います。

あっ!もちろん先輩や上司と上手く付き合うために
先輩上司のタイプを新人、後輩が知ることにも重宝します。