2月、3月の臨店研修でお邪魔した店舗で
お客さま向け迷惑行為防止のポスターを見て思ったこと。

SNSや動画配信で
何でもかんでもアップする“輩”が話題になる昨今ですから、
あって然るべきだと思ういっぽう、

『えっ?いまぁ?キャリアさん、
なんでもっと早く用意してくれなかったのぉ?』
とも感じた次第。

このような内容に近しいものは
無かった訳でもありませんが、
今回のポスターのように目立つものでもなかったかと。

無断撮影、無断録音は今のご時世向けですが、
そもそも大声、暴言、威嚇、器物破損、不当な要求
これらは、二十年以上も前からあったお話。

最近の臨店研修の時に
「江戸時代からあったよね~」
なんて冗談交じりに話して、
歴の長いスタッフからは、毎回大きな頷きがあります。

やれ
「社長出せ~」だの
「この2年間分の金返せ~」だの
「おまえんとこ、20年も使ってるんだぞ~」だの
「今すぐタダで新品に取り替えろ~」だの
「3分で機種変更しろ~」だの
「他社にのりかえてやるぞぉ!いいのかぁっ!あぁっ⤴?」

と、ツバをビッチャビチャ飛ばしながら
カウンターを叩くわ、足で蹴るわ、
自分の端末をスタッフに投げつけるわ
そのスタッフの額に当たって流血・・・。
それでも「申し訳ございません」を繰り返すスタッフ達。

もちろん地域や商圏の特性によって
お怒りの濃厚加減や頻度に差はあったものの
北海道から沖縄まで臨店研修でお邪魔して
どの店舗でも、スタッフの方々の苦労話がありました。
拳銃の話題が出たケースも・・・。
今なら即“お縄”ですよね。

つまりケータイショップは
“カスハラ”という表現がなかった頃から
“かす”のようなモンスターはけっこう居たかと(失礼)。

私は90年くらいからいろんな接客業に
いろんな形で携わってきましたが、
日本の接客業でいちばん迷惑行為が多いのが
ケータイショップではないか?
と言っても過言ではないかもです。

まあ、そのおかげで、
様々な研修プログラムのネタが
産まれてきたので、有り難い話でもあります。

ただ、なぜか当時のキャリア側の研修は
「お客さまに誠心誠意、対応しましょう」
「お客さまの立場に立って、真心💛で応対!」
など、キレイな内容ばかり。

いっぽうで、暴言暴力になったら
いきなり110番か警察OBに相談・・・。

いや、キャリアさん、もう少し
その中間の内容を現場の方々は求めているんですが。。。
と思っておりました。

それが令和のいまでは
全キャリアショップで
冒頭の迷惑行為ポスターが貼られている今日この頃。
それはそれで、良かった良かった!と思う次第です。

また、昔ほどクレームも多くないようで
悪質な内容も減っているお店が多いみたいですね。

それは、通信サービスが充実したからなのか?
そもそもショップへの来店客が減っているからなのか?
使いこなす客はオンラインに流れているからなのか?
いいのやら、悪いのやら、考えものかもしれません。

気付いたら前段が長くなりました。本題に入ります。

さて、前回のゴリラタイプの新入社員への
教え方、接し方に続き
今回はオランウータンタイプの新入社員です。

一件クールで、表情をあまり変えず
会話の相手に対してフェイスラインを積極的に向けない。
そして何より、こちらの話に対して反応が、薄っすう~っ!

安心して下さい。
ディスってる訳ではありません。あくまで特徴です。

オランウータンタイプは内向的でシャイです。
また、結果や事実に則って行動します。
本人の納得感がいちばん重要で、
納得していないと、表情や態度に明確に出るので
ある意味、分かり易いタイプであると思います。

一方で、分析力が高く、
数値結果を診て、何をどうすれば利益に繋がるか
なんていうことを考えることに長けており、
高い集中力で、寡黙に考えながら行動します。

また、一度やると自分で決めたことは
やり遂げる力を持っています。
気分の浮き沈みや、やったりやらなかったりの
「波」がそんなにありません。

俳優に例えるなら
「小栗旬さん」「綾野剛さん」
「江口のりこさん」「真木よう子さん」(いずれも私見です)

昭和の名優に例えるなら
「高倉健さん」「石原裕次郎さん」ってところでしょうか。
ご存知ない方は、YouTube動画でも検索してみて下さい。

面白いと思えば、笑います。
大して面白くなければ、笑いません。
愛想笑は苦手で、しませんし、嘘で笑えません。

ただ、
「愛想笑の必要性」や「愛想笑の重要性」
または
「愛想笑のメリットと自分自身に対する効果とは何か?」
こんな論点で、明確な腹落ちがあると

「そういう効果があるなら、面白くなくても笑ってみます」
「それなりに高笑いすればいいんですよね?」

あくまで『愛想笑』という行為に例えていうなら
こんなメカニズムによって『愛想笑』の行動に移されます。

「接客業なんだから、いつもニコニコ笑顔で」
程度の“紐解き”では、
なかなかうまくいかないかもしれません。

よって何か指示する際には、
本人が納得しやすい理由や目的があると
自然に行動に移してくれます。

つまり指示に明確な理由がなかったり
その効果効能が特に感じられない
意味不明な説明であったりすると
明らかに怪訝な表情で腑に落ちない反応を示します。

また、新人以外の経験を積んだスタッフの場合は
適当な返事で、行動には移しません。

ということは、新入社員で考えると
先生役の先輩社員の説明が
筋の通っていない説明であればあるほど
明らかにモチベーションの低い反応となり、

「私の説明が、わかりにくかったのかな?」や
「あれ?この新人、やる気あるのかな?」と
先生役の先輩社員は、迷い悩むことが多くなるでしょう。

例えば、端末やサービスのスペック、料金プランの説明などは
“それ以上以下無し”の事実の内容なので、
他社比較を交えメリットデメリットの説明すると
メモを多用し、多少、前のめり気味に吸収していくと思います。

仮に先生役の先輩社員の説明が拙い説明であったとしても
比較表を睨んで、自分自身で比較をしながら
メリットデメリットを探していくでしょう。

一方で、概念的なことや無形の内容
例えばCSの重要性、お客さまの心情、
お客さまへの共感の言葉、おもてなしなどになると
途端にモヤがかかり始めるか、無反応になるかもしれません。

この手の内容においては、
理由や背景を、自分事として捉えてもらえるように
話せるかが、重要です。
例えば、本人の家族や、友人の話に
置き換えた説明をします。

もちろん、そんな簡単にいくものではありませんが、
概念的かつ無形の内容を
自分事に捉えて貰えるようにするには
本人の身近な人間関係で
おそらく体験したことがあるであろう
内容に例えてあげることです。

ちなみに過去、失敗した例で言うと
オランウータンタイプの本人に
『あなたがお客さまの立場なら、イヤな思いしない?』
と質問したことがあります。

これ、やりがちですが、失敗する可能性が高いです。

ボノボやゴリラのスタッフに
『お客さまの立場なら、イヤな思いしない?』と言うと

『すごいイヤです。わかります!』なんていう
ある意味、期待通りの返答なんですが

オランウータンタイプはこぞって
『いや、別に、そこまで思わないです』と
無表情で返してきます。

私が若い頃に、この回答を受けた瞬間
『はあ?、おまえ、人間のココロないのかぁ?』
と、内心、思いつつ、
このスタッフは、わざとへそ曲がりなことを言っているのか
わざと講師に反抗しているのか?
なんて、くだらない考えを持った次第です。

でも、違うんです。
本当に、何とも思わないみたいです笑
本心で『いや、別に、何とも思わないです』と
言っていることがほとんどのようです。

他人に関心を持たないのも
このタイプの特徴で、
相手がどう思うとか、どう感じるとかに
一喜一憂しないのが
良い意味でも悪い意味でも特徴です。

だから周りに流されず浮き沈みなく、
集中して仕事ができることへの
裏返しなんですよね。

では、どうすればいいか?

例えば、
あなたの態度に
ネガティブな印象を持ってしまう
お客さまだとすると
その後の提案話を聴いてくれなくなり
あなたの実績に響いてしまう可能性がある

とか

あなたが、できる限り笑顔で、
お客さまの話に
頷いて共感し傾聴することで
そのお客さまは「わかってくれた!」と
気持ちが楽になり、
あなたの提案話を前向きに契約して
あなたの実績に繋がる

と伝えてあげると

「ええ?面倒くさっ・・・」
なんて言いつつも
「まあ、それもそうですね、
面倒くさいですけど、
仕方ない、ちょっとやってみます」

と、納得して行動に繋がるかもしれません。

新人の場合は、もっと素直に返事して
やってくれるかもしれません。

ただ、思っている以上に
感情表現が薄いので、
少々厄介なのが、
「それでは感情表現が足りない」ということに
気付いていない場合も、多々あります。

その辺りを、上手く伝えないと
先生役の先輩社員からの注意指導を
「この人、やたら注意してきて、ウザイ・・・」と思いながら
ココロのシャッターを閉じる可能性がありますので
『要!配慮』で伝えるようにしてあげて下さい。

今回はこれぐらいで。

次回は、接客業になくてはならない
ボノボタイプの新入社員への接し方について
説明致します。

いち早く、新入社員が先生役の先輩社員や周囲の先輩社員に
心を開示して、信頼関係が築かれることを祈っております。