今年もあっという間に折り返しに近付いてきました。
4月入社の新入社員の方々はスクスクと順調に成長されていますか?

個人差が出始めていると思いますが、
いちばん成長が速い新人を基準としないことをお勧めします。
「あの子はここまでできるのに、どうしてこの子はできない?」
と、比較してしまいがちです。

思うだけならまだいいのですが、できていない本人に
「なんでできない?同期のあの子は、とっくにできてるよ!」
と直接伝えてしまうと、想像以上に凹んでしまうかもしれません。
一概に言えませんが、ゴリラタイプに多いかもです。

チンパンジータイプは競争心が強いので、
「なんでできないの?同期のあの子はできてるのに」と言われると、
踏ん張って見返してやろうと言う気持ちが沸いてきて
「悔しいんで、頑張ります!」と言いながら、がむしゃらに頑張るでしょう。

また、「べつに悔しくないです・・・」と
妙に冷めた言葉を返すスタッフもいますが、
言葉と裏腹に、勝手に自分で行動を黙々と起こし、
成長するタイプもいるでしょう。

もしかすると
「悔しいです!」という反応は、チンパンジーの次がボノボタイプのスタッフ
「べつに悔しくないです」の“あまのじゃく”な反応は、
チンパンジーの次がオランウータンかもしれません。

いずれにせよ、チンパンジータイプが強いと
チャレンジ精神が豊富ですので、周囲からの
刺激に対して前向きに反応を起こしていきます。

一方で、ゴリラタイプが強い新人だと、
「先輩に迷惑をかけてしまっている」とネガティブに捉えがちで、
モチベーションがゆっくりと下がってしまいます。
この状態が数週間続くと
「私には合っていない仕事なのかも」
と“勝手に”認識して、退職を考え始めるかもしれません。

ちなみに、覚えが速くモノにしていくのはチンパンジータイプに多く、
覚えるのに時間がかかってしまうのは、ゴリラタイプに多いです。

“ハッ!”とした方、いませんか?

そうなんです。冒頭の
「あの子はここまでできるのに、どうしてこの子はできない?」は、
ゴリラタイプかもしれません。

つい、本人に奮起してもらおうと、
直接「あなたの同期のあの子はとっくに覚えたよ」と言ってしまうと、
奮起よりは、“迷惑をかけている”とネガティブに捉える可能性が高いかもです。

もちろん発破をかける意味で、
発することが効果ゼロという訳ではありませんが、
相手によっては
フォローの言葉もセットでかけてあげることをお忘れなくです。

「もちろん、速く覚えることは、大事だけど、
時間はかかっても確実にマスターする方が、
新人期間の今は、いちばん大事なことだからね。
その方が教える側の私も嬉しい」

こんな感じかと。

そんなゴリラタイプは覚えるのに時間がかかりますが、
一度覚えると、それを愚直にこなすことが特徴です。
そうなるためには、同じことを繰り返しやることが必要です。

でも、先輩スタッフの中にこういう人いませんか?
「一度あなたに教えたんだから、もうできるよねぇ⤴?」
「教えられたら、それをマスターしておくことは当然だよね?」

言いたくなる気持ちもわからなくもないですが、
残念ながらこの考えはお捨てになって下さいませ。

特にゴリラタイプの新人スタッフにすると、
『確かに先輩から一度だけ聞いたけど、
それけでできるように成る訳がない・・・』
と思っているでしょう。

それでも、先輩の圧が強いと本音を言わず(言えず)、
「はい、、、がんばります⤵」
と本心とは裏腹の言葉を出してしまうのです。

・・・と、ここまでで、
「またゴリラタイプの内容ですか・・・。」
と思われた方もいらっしゃるでしょうが、
シリーズでお届けしている新入社員への教え方、
今回は、ボノボタイプのスタッフです。

ボノボタイプは人と接する(会話する)のが大好きで、
ニコニコしながら接客するのが最大の特徴です。
つまり接客業には必須アイテム的な存在です。

前段の覚えることに時間がかかるスタッフが、
ボノボタイプの場合は、
おそらくボノボの次にゴリラの特徴が多い
スタッフなのかもしれません。
そうなると繰り返し教えてあげることが必要となります。

また、ボノボタイプの本人が、一度ネガティブに陥ると、
「大丈夫だよ」「あなたでもできるようになるよ」
という慰めの言葉を、
周囲の先輩に求めようとするところがあります。

本人の感情が平常状態になるまで、
その言葉を求める場合もあり、
少々“面倒くさい”とも言えます。

「人と接することが好き」というのは
「人に依存している」の裏返しであり、
“独りっきり”を“孤独の恐怖”と捉えがちです。

よって、英語の「Let‘s」や「with you」「with me」、
つまり「一緒に」というのがモチベートされるキーワードになります。

ということは、本人が落ち込んだ時は、
「先輩、私いま落ち込んでいるので、
先輩も一緒に付き合ってください・・・」
と言っているのかもしれませんね。

逆に次のように考えるのはいかがでしょうか。

表情、言葉、しぐさ、あらゆる表現力を駆使して、
自分の気持ちを伝えようとするので、
周囲への影響力が強く
「インフルエンサー」としてのスキルが高いと言えます。
そのインフルエンサーがムードメーカーともなり得るので、
感情がポジティブな時は、周囲を明るくしてくれます。

そんなボノボタイプのスタッフは
日本の接客業で大活躍しています。
私もこれまで数え切れないほどお逢いしてきました。

普段からで名指しでお客さまから賞賛されるスタッフから
応対コンテストで入賞するスタッフまで。
まさに「当店の看板スタッフ」と言えるでしょう。

ただ、入社2、3ヶ月の新人スタッフが、
全スタッフの中でムードメーカーに、
というのは現実的ではないですよね。

新人として絶賛勉強中のボノボタイプの新人の場合は、
「覚えなくては・・・」「覚えられない・・・」
「計算失敗した・・・」「先輩に怒られた・・・」
こういう状態でネガティブをインフルエンスしていくことの方が
多いかもしれません。

そのネガティブが深くなるほど、
周囲のケアが必要になることを考えると、
日々の声がけが、大事なんですよね。

とにかく、事あるごとに
「大丈夫?」「どう?」「難しい?」「どうした?」
こんな問いかけを、一日数回してあげることにより、
「先輩が気にかけてくれている」という安心感が芽生え、
ネガティブは小さいうちに解消すると考えて下さい。

また、安心感が芽生えた時は、指導できる良いタイミングです。
「私も付きっ切りで教えられないから、独りで出来るように頑張ろう」
「自分の感情に流されず自律できるように頑張ろう」
「周囲に流されず集中力を養おう」

と諭してあげることも忘れずに。
もちろん即改善とまではいきませんが、
本人の成長向けた目標として
素直に受け入れて貰い易いです。

「え?結局、面倒くさいですね・・・」
と、思う方々もいるでしょうが、

内向的とされるゴリラタイプ、オランウータンタイプと違い
外向的で感情表現が得意なボノボタイプは、
お客さまにも影響力を発するので、
育て方が上手くいけば
実績を出してくれるスタッフに成長すると考えて
間違いないと思います。
人によって、手はかかりるかもしれませんが、、、笑。

さて、そんなボノボタイプのスタッフ、
ボノボの次にチンパンジーの領域が多いスタッフの場合は、
チンパンジータイプの「負けず嫌い」感情がプラスされます。

よって、冒頭の
「なんでできない?同期のあの子は、とっくにできてるよ」と言われると、
「悔しい・・・」という思いや言葉の反応をしてくると思います。

良い意味で、
この感情のエンジンに
先輩スタッフが、火を点けてあげることができれば、
覚える成長も早く、そして接客面においても、
販売実績においても、成果を出すことは間違いないでしょう。

ボノボタイプの人材は接客業において、
ある意味“宝”です。
その“宝”の持ち腐れとならぬよう
丁寧に育ててあげて下さいませ!