連日の酷暑が続く中、
ビッグモーターの一件は、強烈なインパクトとなりました。
顧客無視とも言える徹底した利益追求の営業手法と
約6000人の従業員全員が会長と社長、
この親子の顔色だけを窺う組織体制
中小企業ならまだしも、
この規模の組織でこの運営手法なら、
当分の間、ニュースのネタに困ることがないくらい
叩けば叩くほどホコリが出てくることでしょう。
保険金不正請求、保険会社との繋がり、カネのルートなど
気になることは、いろいろありますが、
私が特に気になるのは、
問題になっている“奇行”とも言える施しを
数々行っていた従業員の心理
『客の車を故意に傷付ける』
『その傷の付け方を愚直に新人達に教える』
『環境整備という名目の店舗前樹木に対する枯葉剤の散布と伐採』
いくら上司、上長からの命令とは言え、
その行為を当たり前のように行う
店舗従業員の心理はどうだったのか?
極論ではありますが、
上司が「人を殺せ」と言えば
実行してしまうのか?と思うほどの行為ですよね。
良心はなかったのか?
少しでも冷静に考えられる心のゆとりがあれば
いくら上司の指示命令と言えども
その行為を行う時に、
ふと「人としてやるべきことであるのか?」
こう考えなかったのかと、思った次第です。
ただ、偉そうに言う私が、
もし当事者としてビッグモーターで働いていれば、
そんなことも言えないくらいの
強烈なプレッシャーを四六時中かけられて
何の迷いもなく、反抗もせず、やってしまっているかもしれません。
それだけ人は弱い者であり、
恐い生きものであるということですよね。
そして何より
企業組織の体制と
経営者であるトップに
それぞれ良くない条件が揃ってしまうと
数千人の従業員の心をも
複雑怪奇に捻じ曲げてしまうのでしょう。
ケータイ業界も数々の不祥事がございましたが、
やはり徹底した利益追求が当たり前の2023年。
今回のビッグモーターの一件は
“反面教師”として学べることがあるかもしれません。
ちなみにビッグモーターは
ケータイ業界が光回線開始で沸いていた
2015年辺りから店舗数、従業員数共に増加し、
2018年頃には急激に実績を延ばしたそうです。
だから、テレビで見ない日がないくらいに
『♪ク~ルマ~を売~るな~ら、ビッグモ~タ~』
のCMが大量出稿される訳ですね。
急激な右肩上がりになる前に
次のようなことがあったかもしれません。
ここからは私の憶測です。
ある店舗で、売上が急激に伸びたことを
“これは優良事例だっ!”
と、店長はじめ、上長達が取り上げ
全国の全店長に
『すぐマネしろ!!』
『明日からやれ!!』
『〇〇店に負けるな!!エリアで一番だ!!』
『はっ?! 四の五の言うな!! 休み返上でやれ!!』
なんていうLINEメッセージが一斉送信されたたことでしょう。
でも、真っ当な店長は、きっとこう思ったはずです。
『こんなに急激に実績が上がる?』
『なんか悪いことしてないか?』
しかし、そんな冷静な声は一撃、一蹴される。
そして、その悪事にどんどん手を染めていくと
店舗内で従業員毎に競わせ、
当然、実績がグイグイ伸び始め、
さらに店舗毎に、地域毎に競わせ
実績を上げる従業員の給与を急激に上げ、
反対に上がらない従業員の給与は無論下げる。
当然、売上に比例するかの如く、離職率も急激に上がる。
さらに、精神的に参ってしまい、
心の病に陥る営業職や店長があちこちで出現。
それでも追い打ちをかけ続ける上長のパワハラ。
もう一度言います。
ここまでは、私の勝手な憶測、いや妄想です。
失礼いたしました。
さて、実績が急激に上がったら、
その手法が真っ当なやり方かどうか、
冷静な検証が必要ですよね。
しかもその検証を誰がすべきか?
やはり店長、そして複数の店舗を司っている店長の上司、
さらにその上長、経営陣。
ケータイ業界の場合は、
代理店社内で検証することは当然ですが、
ある意味「御上(おかみ)」とも言える
キャリアの客観性を交えたキャリア側の検証も必要ですよね。
例えば、とある店舗で、
とある商材の実績が急激に延びた場合、
キャリアの担当営業、営業部長、そして管轄支店長も
さぞかし大喜びすることでしょう。
しかし、不祥事が発生すると、
当然ですが代理店の責任に・・・
コロナも落ち着いた2023年のケータイショップ
限られた営業時間、限られたスタッフ人数
曜日や時間帯によってバラツキのある予約接客数、
そして、提案された来店客が、
消化不良を起こしそうなほど、多岐に渡る商材の数々。
一方で客層はご年配の方が中心。
操作質問を中心とした多種多様な要望を抱えて来店。
こういう難しい背景の中で出る成約実績です。
「この急激な成約実績はホント??」
と冷静に検証することが必要です。いや必須ですよね。
あっ!このメルマガ、キャリアの方も
結構な人数の方々にご覧頂いておりました。
「お前みたいな米粒研修会社なんぞに、
偉そうに言われんでも、とっくにやっとるわ!」
と怒られそうですね。失礼いたしました!
兎にも角にも、2023年の年末どころか、
当分の間、尽きそうにないビッグモーターニュース。
ぜひ“反面教師ネタ”として
ケータイ業界に事例活用すべきではないか
と願うばかりです。